黄砂。
 
 
 
■ 書くことのない日には書かなければ良いと思う。
 そうしているとそのままになってしまう。
 ま、そうもゆかない。
 なんでかな。
 で、くだらないことを書く。
 
___
 
■ 日曜、屋根のない車で遠乗りをした。
 年上の友人が、赤い国産を持っている。
 ふたり合わせて75歳くらいの男二人が、もくもくと走った。
 握り飯と、水のボトルを買い、ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」が全部終わるまで休まない。二枚なのだが、ただ前だけを見ている。
 信号で水のボトルを傾けていたら、並んだ髪の長い女に指をさされた。
 
 
 
■ 120馬力というのは手頃である。
 6000まで廻すと、とりあえず直線では問題はない。
 4000から、カムに乗る感じで勢いが付く。
 そう滑らかではないのだけれども、大体こんなもんですね。
 エア・クリーナーを換えているので、そこそこの吸気音はする。
 マフラーは、これからだそうだ。
 2速でひっかかる。
 一呼吸入れるような感じで、トン、トンとギアを入れる。
 隣に、羽の生えたシルビアが並んだ場合、それでは困る。
「上等じゃねえか」
 などと心の中で呟き、4000位でクラッチを繋ぐ。
 
 
 
■ 後、ブレーキ。
 高速で、ガツンと効いてはくれない。
 ホースを換えるべえ、と持ち主は言うが、この程度の馬力なら、パッドだけでも良いんじゃないかと私は言った。
 その後で、ローターを柔らかいのにすればいい。
 昔、ツインカムを積んだセダンで、チューンしたと思われる丸目のZとバトルをしたことがある。
 深夜の横羽で、結局150からぶち抜かれたけれども、L型ってのも、そう捨てたもんじゃないとニヤニヤしていた。
 ハザードを二回付ける挨拶を交わし、羽田の料金所に降りると、フロントから煙が出ていた。
 焦げたような匂いがする。
 あらら、と降りてみると、ホイルの間から白い煙が漏れていた。
 すこし前まで、国産のブレーキってのは弱かったんですよ。
 
 
 
■ 脚はビルシュにBBSだったけれども、これについては又の機会に書くことにする。硬ければ良いってもんじゃない。
 ナルディも、相変わらずやや細身で、宜しいんじゃないでしょうか。
 でも、台湾で作っているような仕上がりだった。すこし。
 
-----
 
■ 人の車に文句を付けてはいけない。
 交互に運転を代わりながら、我々はもくもくと走った。
 屋根のない状態で、140を保つと額が広がる。
 車はやや浮き気味になるが、不可物がないのだから、そこはジャガーと一緒だ。
 細身のシートは腰が痛くなる。
 顔は、時折の強い風と、中国からの黄色い砂でザラザラしている。
 ボトルの水がなくなった頃、我々は横浜に居た。
 その時は幌をかけ、中華街の外れをうろうろしている。